Cinema 4Dのグレードの選び方・映像系編

Cinema 4Dには、BodyPaint 3Dを含めると5種類のグレードが用意されています。ただ、お客様の中にはどのグレードを購入したらよいかわからないというご意見もいただきます。そこで、どのグレードを選んだらよいかご紹介させていただきますので、参考にしてください。

映像系の方

映像系でCinema 4Dの導入を検討されている方は、実質BroadcastとStudioの2択だと思います。特にモーショングラフィックスのためのMoGraph機能が使いたくて導入を検討されている方も多いと思います。MoGraphはBroadcastとStudioにしか入っていません。ですので、まずはこの2つから選ぶことになると思います。

Studioにしかない機能

StudioかBroadcastかを選ぶにあたって、映像系で使いそうなStudioにしか無い機能をピックアップしました。

ダイナミクス: Broadcastでもリジッドボディダイナミクスは対応していますが、MoGraphのオブジェクトしか対応していないという仕様があります。Studioのダイナミクスは、ポリゴンやプリミティブでも物理シミュレーションが可能です。また、ソフトボディダイナミクスにも対応しています。

ヘア: 髪の毛、毛、草、鳥の羽根などをすばやく簡単に作成できます。髪の毛は使わないという方も多いと思いますが、実はヘアがあるとスプラインのダイナミクスが可能です。これが意外にモーショングラフィックスに使え、海外のチュートリアルでも多用されています。

キャラクタアニメーション: BroadcastにもジョイントやIKの機能はあるので、ある程度のキャラクタアニメーションは可能です。Studioならセットアップ済みのオートリグがあるので、人型や四足動物などは自分でリグを組まなくても作ることができます。意外と見落とされがちですが、キャラクタの表情などを作るモーフ機能もStudioのみですので、その点は注意が必要です。あまりキャラクターアニメーションはされないという方は、AdobeのMixamoを使うという方法もあると思います

Thinking Particles: Studioならノードベース高機能なパーティクルが使えます。ただノードベースのため、決して簡単ではありませ。これはサードパーティプラグインのX-Particlesを使った方が習得しやすく、またより強力です。

Sketch and Toon: セルアニメーション風、ラインレンダリングなど、NPR(ノン・フォトリアリスティック・レンダリング)の特殊効果が得られます。シェーダだけであれば、Broadcastでもシェーダの組み合わせでセルシェーディングは再現できます。ただ、ライン出しだけはできないのでそれに関してはSketch and Toonが必要になります。

カメラキャリブレータ : カメラキャリブレータは、画像からカメラの設定を再構築できます。写真やイラストのカメラマップによる3D背景などに使えます。

スカルプト : オーガニックなモデルを作成するためのスカルプト。

Team Render: Team Renderは、静止画とアニメーションをローカルネットワークを通じて分配してレンダリングします。Broadcastはクライアント数が最大3台まででStudioは無制限になります。コンピュータの台数が多い場合は、1ライセンスだけStudioにするという方法もあります。また、Google Zyncなどのレンダーファームを使うという方法もあると思います。

モーショントラッカー: 実写映像に3Dオブジェクトを合成に使用できます。カメラトラッキングとオブジェクトトラッキングができます。After Effectsの3Dトラッキングを使う方法もありますし、PFTrackなどをお持ちであればそちらを使うと良いでしょう。

Houdiniとの連携: Houdiniデジタルアセット(.hda)をCinema 4Dで使えるようになります。ただし、対応していない機能もあり、Cinema 4Dに対応したものはあまり出回っていないようですので、こちらは社内でHoudiniを使っているスタッフがいる場合には非常に便利だと思います。

シャドウキャッチャー: アルファ付きの画像を影のレイヤーをアルファチャンネルに加えた画像の出力ができます。ただし、これはマルチパスレンダリングすることで影のレイヤだけ取得できるので、同じ効果は得られます。

サブポリゴン変位: ディスプレイスメントと呼ばれるジオメトリを画像の陰影に合わせて凹凸を加えますが、サブポリゴン変位はレンダリング時に細分化して凹凸を加えるので、より詳細なディテールが得られます。

バリエーションシェーダ: 1つのマテリアルでオブジェクトやポリゴン単位で色や画像の変更ができるシェーダ

ライティング関係: フィジカルスカイ、IESライトが対応します。

PyroCluster: ボリュームレンダリングを行うシェーダ

LODオブジェクト: カメラからの距離や画面サイズでローポリとハイポリのオブジェクトを自動的に切り替えます。

結局どっちがいい?

ざっと機能を見てみるとここまではいらないという方も多いのでは無いでしょうか。Cinema 4Dは機能の組み合わせが優れているので、意外な機能を使うケースもありますが、費用を考えると悩むところかもしれません。ユーザー数としては、長く使っているユーザーも多いため、アカデミックライセンスを除いてもStudioがもっとも多いです。

お客様によっては、StudioではなくBroadcastにして、X-Particlesやサードパーティのレンダラーなどのプラグインに予算を振っている方もいらっしゃいます。どうしても使いたい機能がStudioにあると言う場合以外は、予算との兼ね合いになると思いますので、まずはBroadcastから初めてアップグレードのが無難かもしれません。

Studioへのアップグレードについて

BroadcastからStudioへのアップグレードは、最新バージョンからであれば標準価格の差額で行えますので、安心してBroadcastから始められます。ただし、MAXONサービス契約に入っている場合は、MSAの残月数を月割り料金の差額をお支払いいただく必要があります。

Cinema 4Dの体験版は、BroadcastとStudioに切り替えできますので、購入前にお試しいただくこともできます。