【Territory Studio】ブレードランナー2049: テクノロジーを通じて世界観を構築する

2017年11月5日、CGWORLDクリエイティブカンファレンスでの講演で、Territory StudioのPeter Eszenyi氏による「ブレードランナー2049: テクノロジーを通じて世界観を構築する」が行われ、約300名が来場した。

Peter Eszenyiは、卓越した評価を得ているブレードランナー2049の世界で描かれるテクノロジーを、Territory Studioがどのようなアプローチで制作したかを解説。独自のR&Dと実験を経て、非常に独創的なインターフェイス・デザインを実現したツールを紹介した。

(以下、ネタバレ要素が含まれますので、ご注意ください)

Cinema 4Dはブレードランナー2049のモニターグラフィックスで使用された。Territory Studioは、これまでアベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロンやガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーなどのFUI(ファンタジー・ユーザー・インターフェイス)などを手掛けてきた。これまでは、ホログラムによるUIデザインを行ってきたが、今回のブレードランナーでは違うアプローチが必要だったとPeter氏は語った。

「前作では、80年代に考えられたコンピュータが進歩した未来を描いていましたが、ブレードランナー2049の世界はその後『大停電』が起こり、デジタル技術が失われた世界だったため、コンピュータは使われながらもメカニカルや光学的なアプローチが必要でした」

そのため骨や脳をチェックするシーンでは、3次元的にビジュアライズするのではなくマイクロフィルムをレンズで拡大してチェックというアイデアを出し、それが採用された。マイクロフィルムに写っているものもオーガニックなビジュアルにするため、3Dスキャンしたグレープフルーツが使われた。

レンズのギミックは、レンズは実際のレンズのように凸型にモデリングし、ポリゴンに貼った画像をレンズを通して見ることで、メカニカルな動きを再現した。こうした作業はCinema 4Dで行われたが、Cinema 4Dを使う理由は次のように述べた。

「Cinema 4Dは、簡単にすばやくアニメーションを作成できるので使っています。映画の仕事は、監督などから修正がなんども入ります。Cineam 4Dならそれにすぐに対応できます」

こうしたモニター映像は、撮影のセットで実際に流されており、俳優の演技に合わせてリピート再生なども行われた。ポスト合成ではなく実際にモニターに流すのは、俳優も演技がしやすくなり、顔に光が反射するのでライティングもより正確になると説明した。

現在彼は、パシフィック・リム2の仕事を行っている。

  

登壇者:

Territory Studio:Creative Lead Peter Eszenyi 氏

Territory Studio Londonのクリエイティブリード。モーショングラフィックスデザイナー、ビジュアルエフェクト、3Dアーティストとして、映画やアニメーション、VRプロジェクトに携わっています。Cinema 4Dは、彼が頼りにしているクリエイティブツールの一つ。彼は、最近ブレードランナー2049とゴースト・イン・ザ・シェルを手掛け、現在パシフィック・リム2に参加しています。

Twitterアカウント:@TerritoryStudio / @eszenyip

Territory Studioサイト

http://territorystudio.com