漫画のカラー連載のためにCinema 4Dを活用

密室に閉じ込められた少女とお掃除ロボットの意識が入れ替わってしまったことから始まるSF作品『Biscuit』は、ComicWalkerで連載され現在コミックが発売されている。作者の山路亮輔さんは、この作品で背景だけでなく、キャラクターの部分までCinema 4Dを活用している。実際どのようにCGを生かしているか、山路さんにお話を聞いた。

きっかけは、カラーページの省力化

もともとは、自主制作アニメーションの背景づくりのために、Photoshopの3D機能を使った3DCGを導入した。そんなときにフルカラー漫画連載の仕事をうけることになったのが3DCGを本格的に始めるきっかけだった。
「仕事の内容がカラー漫画の制作だったので、色を塗る手間を省くためにモデルも制作しました。また、今後自主制作アニメを製作する予行演習としてモデル作成の練習も兼ねていました。
 3Dソフトを導入するにあたり、いくつか候補を試しその中でもっとも使いやすかったのがCinema 4Dでした。ビュー回転は回転軸を直感的かつ自由に設定できるため、ほかのソフトよりも扱いやすく、地味ながら非常に便利でした」
連載を始めるまでに、個人ブログなどを参考に約半年ほど勉強に費やし、あとは漫画を描きながら覚えたという。
カラーページのペイント作業を省力化するために、キャラクターもしっかりとモデリングしている。3Dモデルを破綻なくポーズさせても、マンガ的な表現やダイナミックな構図にはならないため独自のワークフローをとっている。

ワークフロー

1)コンテを元にキャラクターと背景を配置

2)キャラクターと背景を分けてレンダリング

3)絵コンテに合わせて、レイヤーを配置

4)3Dモデルを元にペン入れ

5)線画に合わせて元絵を修正

6)背景と色彩のバランスを調整して完成

「通常、ペンで描くキャラクターというのは、現実の3次元とは造形が微妙に異なりますが、3Dモデルにはそういった手書き特有の変化がつけられないため、それを再現するために、かなり無茶なボーン変形を行っています。それでもイメージしたポージングを3Dだけで再現するのは難しく、書き出した画像ファイルに手書きで補正をかけるなどをして制作していました」

ダイナミックなポーズと構図

Cinema 4Dでレンダリングした状態

モデルは、手の長さなども変え誇張したポーズにしている。特定のカメラアングルからのみ成立するポージングにすることで漫画らしい迫力を出している。

別の完成カット

このアングルでは成立しているが…

別のアングルから見ると、実際は腕が顔にめり込んでいる

プロフィール

山路 亮輔氏
Webサイト:https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_OE00000003010000_68/