東京国際プロジェクションマッピングアワード
2年連続で最優秀賞受賞

学生でありながらプロジェクションマッピングを深く理解し、人を魅せるセンスを持っている松本氏。
東京国際プロジェクションマッピングアワードでは2年連続で最優秀賞を受賞。2年目はグループではなく、たった一人で映像制作、演出、全てを手掛けた。彼はどのようにして技術とセンスを磨いたのか?松本氏にインタビューをした。

東京国際プロジェクションマッピングとは

若手クリエイターによる日本最大級のプロジェクションマッピングのコンテスト。名だたる企業がスポンサーになり、新進気鋭のトップクリエイター達が審査員を務める。
大人も子供も楽しめるエンターテイメントなコンテンツかどうか、音楽と映像の融合を活かした表現かどうか、3DCG、アニメーションの技術をうまく活用できているかどうか、など厳しい審査基準がある。

東京国際プロジェクションマッピングアワード 公式サイト https://pmaward.jp/

松本豊氏インタビュー

Q最優秀賞おめでとうございます。
松本さんの作品「BLACK」が満場一致で最優秀賞だったそうですね。
Aありがとうございます。今回はチームではなく一人での参加ですし、二回連続は無理だと思っていたのでなおさら嬉しいです。憧れである「Moment Factory」のMarc-André Baril氏(Moment Factory東京オフィス責任者)に直接コメントを頂けて夢のようでした。

Q:作品名「BLACK」で分かるように、黒がとても印象的な作品でした。なぜプロジェクションマッピングに黒をテーマにしたのでしょうか?
A国内で目にするプロジェクションマッピングは色鮮やかな作品が多いです。なので、黒を基調とした「影」をより意識した作品を作ったら面白いだろうと考えました。黒だけで立体感を出すにはどう表現するか?どうしたら空間を感じさせられるか?会場となる東京ビックサイトへ実際に足を運び確認しながら作り込みをしました。

映像に関して言えば、より立体感をつけるために飛び出す演出とへこむ演出を同時に使っています。凸凹の距離を大きくつけ、投影される物体の高低差を大きくすることで立体感を強調しました。パースの付け方も工夫をしました。建物の真ん中の空間を消失点として考え、観客が見た時に不自然にならないよう気を付けました。よりパースを意識してもらえるよう中心から外側にかけてパーティクルの粒子を少し伸ばして変形させています。

Q:チームではなく一人での製作で苦労したことはありますか?
A作品の中心軸が決まるまでにとても時間がかかりました。それは、一人だと作品の方向性を簡単に変えることができるからです。さらに、全ての作業を一人で行うのは大変でした。製作は数人でやった方がいいと思います。それでも、自分の好きな世界を自分のペースで製作できるのはとても楽しかったです。

Q映像制作にCINEMA 4Dを選んだ理由は?
A学校ではMayaを勉強していましたが、周りのCG経験者が 学生の時CINEMA 4Dを使っていたというのを聞き、CINEMA 4Dに興味を持ちました。早速、無償学生版をインストールしてネットのチュートリアルをやってみたら、とにかく面白くてハマりました。CINEMA 4Dは操作が分かり易く、モーショングラフィックスにとても向いていると思います。Webチュートリアルが充実しているのでとても助かりました。
CINEMA 4Dの無償学生版は本当にありがたい存在です。

QCINEMA 4Dはどの機能を主に使いましたか?
Aプロジェクションマッピング映像制作にCINEMA 4D のMoGraghはとても便利です。
MoGraphの中でもクローナー、マトリクス、ボロノイ、Mosplineは、プラグインのCVS-ArtSmartとの組み合わせでよく使用します。ダイナミクスとの組み合わせもよくやります。ボロノイ分割は本当に便利です。思いもよらない面白いアニメーションを作り出せます。さらに、今回はProRenderでプレビューを見ながらライティングができたので作り込みに時間をかけることができました。

QCINEMA 4D以外はどのようなツールをお使いですか?
Aモデリングのノーマルや細かいところはZbrushでやっています。絵や素材はPhotoshopとIllustartorで描いて、最終的にAfterEffectsでまとめてコンポジットしています。
プロジェクションマッピングでシーンを作り込む前にCG側でカメラの位置や角度の調整をする際にCINEMA  4DとAfterEffectsとの連携機能を使っています。

Q今回の作品で何か参考にした作品はありますか?
A:参考にしたのは映画『メッセージ』です。SF映画が好きで、中でも自分の知らない分からないものに出会った時の「人間の好奇心や危機感」に強く惹きつけられます。僕の作品では、見ているお客さんに「何が起こるかわからないドキドキ」を感じてほしかった。なので不安を煽るような怪しさの演出と、その中にある美しさみたいなものを意識して作りました。

Q好きな映像作家さん・クリエイターはいらっしゃいますか?
A FLIGHTGRAFさんと牧野惇さんです。FLIGHTGRAFさんのマッピング映像は眺めていてずっと見ていられます。「プロジェクションマッピングをアートとして魅せることが可能」と分かったきっかけでした。牧野さんのミュージックビデオをよく見ます。アナログで温かみのある表現が人のぬくもりを感じてとても好きです。細かく作り込まれていて見ていてとても楽しいです。

Qまだ学生さんですが、どういったお仕事をしたいのか希望を教えてください。
A:映像やCG製作が好きなのでその関係の仕事に就きたいです。これからも新しいメディアや技術がどんどん作られていく中でそれらに合ったものを将来作りたいです。

 

surprise matsumoto/サプライズ松本1996年生まれ。
映像デザイナー。プロジェクションマッピングやモーショングラフィックスを中心に活動中。
twitter – @ykt_real